キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
包丁を使うのは私がやって、鈴ちゃんには肉をこねてもらうのと形を整えてもらうのをお願いした。
いつも亜沙美の手伝いをしてるらしく、鈴ちゃん専用の踏み台を今日は持参している。
踏み台には最近流行ってるらしいキャラクターのシールが貼られててかわいくなってる。
鈴ちゃんと一緒に作業を進めていくと玄関のチャイムが家に鳴り響いた。
「まー!かえってきた!」
「あ、もうそんな時間だ。
鈴ちゃん手を綺麗にしてお母さんにおかえりって言いに行こうか」
「うん!まー!かえりー!」
「あ!鈴ちゃんちょっと待って…!」
鈴ちゃんは手を素早く洗うと玄関に向かって走り出した。
私も早く追いかけようと手を洗うけどなかなか肉が手についてとれない。
やっと手が綺麗になって玄関に向かおうとすると、鈴ちゃんがこっちに走ってくる足音が聞こえた。
「みーこ!まーじゃなかった!のーはがきてる!」
「……のーは?」
初めて聞いた名前に首をかしげる。
鈴ちゃんに手を引かれるがままに玄関に行くと、そこには大きなリュックを担いだ乃々葉だった。