キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
てか今、アタシが教えたって言ったよね?
もう一度唐木田七笑を見ると目が合って、また満面の笑みを浮かべてきた。
「あの二人ね、ずっとお昼を二人で食べれる場所を探してたんだよね。
そしたら昨日ここにみーこが静かにお昼を食べているのを見てここだ!って思ったんだよね!」
何してくれてんのこの人。
余計なことをしてくれたせいで私のお昼を食べる場所がなくなってしまった。
最悪という言葉と重いため息しか出てこない。
彼女と出会ってから最悪なことしか起こってない気がする。
「…ご、ごめん。怒ってる…よね?」
何も言わない私を見て怒っていると思ったらしく、彼女は眉をハの字にして見上げてきた。
怒るのが分かっていたならこんなことやらなきゃいいのに。
もう話す気にもなれなくてそのまま去ろうとしたら力強く手をつかまれた。
「ねね!とっておきの場所があるんだけど!」
「…え?…ってちょっと……!?」
有無を言わさずにそのまま彼女に引っ張られた。
掴まれた手首を解放しようとしても力が強くてびくともしない。