キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
一緒に食べようって……なんで?
というかすごく居づらいんだけど……
いつも心が休まる唯一の時間がお昼休みなのに、それがこんなにも気を使わないといけなくなるなんて。
どうしようかと戸惑っていると黒髪の彼女と目があった。
「ごめんね?七笑がこんな唐突なことして。
この子、一度言い出したら聞かなくてさ。
あ、あたしは崎津 亜沙美っていうの。亜沙美でいいよ」
「あたしはあーちゃんってもんももも(呼んでるよ)!」
「ちょっと七笑!食べながら喋るんじゃないの!」
黒髪の彼女、亜沙美は唐木田さんの頭をいい音を鳴らして叩いた。
その反動で彼女は食べていたご飯を半分吹き出した。
「うわ、きったな!早く片付けてよ!片付けるまで近寄らないで!」
赤いヘアバンドをつけた彼女は唐木田さんへ野良猫を追い払うような動作をしている。
その光景をじっと見ていると視線に気付いた彼女も私の方を向いた。
「ほんとこんなやつによくついてきたわねあんた。
あーしは玉山 乃々葉。亜沙美と同じで呼び捨てでいいよ」
「乃々!それ酷くない!?
アタシは乃々って呼んでんの!今の通り乃々はアタシには厳しいんだよー!」
「イメージを下げるようなこと言わないで!」
ヘアバンドの彼女、乃々葉は威嚇する猫みたいに爪を立てて唐木田さんの頭をかきむしっていた。