キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
必要のないもの
お昼休みを過ごす唯一の場所を奪われて数日が経った。
今日も唐木田さんに強制連行されて屋上でお昼を食べる。
どれだけ逃げてもまるでGPSのように私のいる場所に現れる唐木田さん。
今日は多目的室にドアの鍵を閉めて壁に寄りかかって隠れてたのに、開いてた窓から顔を出してきた。
まるで私のあとをついてきてるみたいにひょっこり現れる彼女。
……というかほんとにストーカーなんじゃ…
「ん?どーしたのみーこ?アタシの顔になんかついてる?」
「……別に」
おにぎりを頬張る彼女をじっと見て考えていたら不覚にも目が合ってしまった。
唐木田さんはこれ以上は聞いてくることはなく、2個目のおにぎりを食べ始めた。