キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。



私も続きを食べようとしたら隣にいた乃々葉が私のお弁当を間近で見ていて、声を出すまでではないけど少し肩を震わせてしまった。



「…な、なに?」



驚いたことを悟られないようにいつものトーンで話す。
でも自分でも分かるくらいに目は泳いでいる。



しばらく私のお弁当を見つめて乃々葉は顔を上げた。



「美瑚ってお弁当作れるイメージなかったから驚いてたの。
あんた料理できるんだ、七笑と同じでこういう女子力はないと思ってた」


「乃々!?それアタシに失礼じゃない!?」



いや、私にも十分失礼なんですけど。



ここ数日で分かったのは乃々葉はそれが例え嫌みだとしても思ったことをすぐに口にする。



というか唐木田さんと同類だと思われてたなんてかなり心外だ。



「お弁当のはほとんど冷凍食品だけど、ご飯はいつも自分で作ってるよ。
料理はまぁ普通にはできるかな」


「へぇー!みーこ自分でご飯作るんだ!
今度アタシ食べに行ってもいーい!?」


「はぁ?来ないで」


「みーこまで乃々みたいに冷たいんだけど!あーちゃーん!」


「はいはい。よしよし」



そして乃々葉に散々言われて最終的に泣きつく場所は亜沙美であることもここ数日で分かった。


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