キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
あのままショックを受けて固まってれば良かったのに。
「…なんでついてくるわけ?」
「へ?だってみーこと一緒に帰りたかったから!」
だからあんなことじゃへこたれないよ!
相当ショックだったくせにへらっとした笑顔を浮かべる。
どれだけ早足にしてもついてくるのでもう諦めて歩く速度を落とした。
そういえば誰かと一緒に帰るのは何年ぶりなんだろう。
この場合は一緒に帰るというよりかは付きまとわれてる、と言った方が正しい気もするけど。
「ねーねー!みーこの今日の夕飯はなにー?アタシね、野菜炒め食べたい!」
最悪なことに彼女が食べたいものと私の今日の夕飯が重なってしまった。
というかこの会話的に私の家に寄っていこうとしてない?
そうなる前に玄関を閉めて……
彼女を家に入れないように頭の中でシミュレーションしていたら、玄関前に立っているあいつを見つけてしまった。