キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。



だから私はこうやって変わったんだと思う。



あの、



「……どっかのバカのせいでね?こうなったのよ」



あの迷惑なくらい眩しい笑顔を思い浮かべるとこっちまで笑ってしまう。



七笑、今ごろ私のこと探してるかな。
私の名前を呼びながら探す姿が簡単に思い浮かんでまた笑ってしまった。



「……早坂。ほんと明るくなったよな!今の方が絶対いい!
唐木田や亜沙美が気に入るのも分かるな!」


「……亜沙美が?」



七笑ならなんとなく分かるけど、亜沙美がそんなこと言うなんて思わなかったから思わず名前を言ってしまった。



隣を歩く広瀬くんを見上げると広瀬くんは楽しそうに亜沙美の話をした。



「亜沙美はさ、めったに人のこととやかく言わないんだけどさ。
早坂のことはすげー言ってるんだ。『あの子はほんとにいい子だ』って。それはもう何度も」



知らなかった。
亜沙美が私のことをそんな風に誰かに話していたなんて。



誰かにこうやって言われることなんてなかったから、なんだかすごくむず痒い。


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