キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
そこから自然と話は亜沙美の話になった。
「亜沙美と広瀬くんって小学生の時から一緒なんだよね?」
「そ!家が近所で遊ぶやつが亜沙美しかいなくてよく近くの公園でバカやってたよ」
亜沙美のことを話す広瀬くんは心の底から楽しそうに話している。
まるで亜沙美のことが好きみたい。
でも亜沙美は"幼なじみ"という関係が崩れるのが嫌でずっと気持ちを隠してる。
ということは広瀬くんは亜沙美のことをそういう風に見ていないんだと思う。
広瀬くんの好きはきっと幼なじみとしての好きなんだろうな。
だから冗談でいったつもりだった。
「…ほんとに亜沙美と仲いいんだね。
自販機でのやりとりはまるでおしどり夫婦みたいだったよ」
「…そうなれればいいんだけどな。亜沙美にフラれちゃったし」
「………え、は?」
広瀬くんの言ってることが頭に入らなくて、つい喧嘩腰の返事をしてしまった。