キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
あれからみんなで夕飯をつくって食べた。
鈴ちゃんは最初は人見知りをしてたけど、少しずつ仲良くなって今では抱きついてくれるまでになった。
七笑の呼び方を真似て「みーこ」って呼ぶのはちょっと気になるけど。
そんな賑やかな夕食を終えて食後のお茶を持っていくと、七笑と亜沙美、そしてお腹いっぱいになって亜沙美の膝枕で眠る鈴ちゃんがいる。
沈黙が続く中、お茶を飲んで口を開けたのは亜沙美だった。
「……さて、静まったところで少し話をしようかね」
亜沙美は私を見て微笑んでは気持ち良さそうに眠る鈴ちゃんの頭を撫でる。
「…美瑚はきっともう察してるよね。
鈴はね、あたしの子供なんだ。
あたしが15歳になる少し前に産まれてきたんだ」
鈴ちゃんを見つめる視線。
抱きついてくる鈴ちゃんをしっかりと抱き締める腕。
亜沙美の鈴ちゃんに対する行動一つ一つが母親だと感じた。
何も言えずに亜沙美を見ていると目が合って、亜沙美は苦笑いを浮かべた。
「…少し長話してもいい?」