この空の下、君と一緒に。
「千夏~!今日こそ合コン行こうよッ!」
「そうだよー!千夏目当ての人結構いるんだよ~?一回ぐらい良いじゃーん!」
あれから更に2年。
私は大学を卒業する間際だった。
「ごめーん!興味ないし付き合うとか考えらんなくて。」
元彼となった、飯島 海とはあれっきり。
それ以来私に恋の時期が訪れることはなかった。
そもそも男に興味を示さなくなっちゃったっぽいし。
合コンとか尚更行きたくない。
まさかあたし、レズになってたりして。
……なーんて、冗談だけど。
あ、でもあたしの知り合いにいるけどね。レズとかゲイとか。
別に偏見はないけど、抵抗はあるかな。
真っ直ぐ帰宅しようとして、ふと足を止めた。
この先には……海との思い出の場所がある。
海と沢山遊んだゲームセンターや、カラオケボックス、図書館……。
あの時はあの時間が当たり前になってた。
でも、今ではどんなに願ってもあの時間をすごせない。
あぁ……まずい。
走馬灯のように、彼と過ごした日々が脳裏に浮かぶ。
涙腺が、緩んでくる。
「……っ」
こんな人だかりで泣いたらダメだ。
そう思って必死に涙をこらえた。
「……ふぅ。」
深呼吸して心を落ち着かせながら、ゆっくりとUターン。
それが一番いい。
「……千夏?」
そう思ってた。
この声を聞くまでは。