ボクはとても幸せだったよ
そして数年たったある日…
その日ボクは体調が
あまり良くなかった
ご主人は
ボクのことを心配して
病院に連れて行ってくれた
病院は嫌いじゃない
大人しくしていれば
ご主人が
誉めてくれることを
知っているから
だけどこのときは違った
ボクは病院に
お泊りすることになったんだ
ご主人は
悲しい顔をして
ボクを見ていた
ボクには何がなんだか
わからなかった
おいていかないで
一人にしないで
ボクは必死に
ご主人を呼んだ
だけど
ご主人はボクのことを
置いて行ったんだ
その後ボクが
<ビョウキ>
だということを知った
<ビョウキ>があると
ご主人と一緒にいられない
<ビョウキ>が治らないと
ご主人と一緒にいられない
だから
痛い注射も
苦い薬も
ガマンした
毎日毎日毎日
ガマンした
なのに
ボクの身体は
動かなくなるばかり
もうご主人と一緒に
いられないの
もう大好きなご主人に
名前を呼んでもらえないの
ボクはまた
捨てられたの
そう思った
だけど違った