ボクはとても幸せだったよ



ご主人はちゃんと
迎えに来てくれた


ボクはとても嬉しかった


ご主人に駆け寄って
頭を撫でてもらいたいのに
ボクの身体は動かない


けど
ご主人はボクの頭を
優しく撫でてくれた


悲しい顔をして





「っごめん…ごめんよ。レイン…。」





ご主人が泣いてる


どうしてだろう





「レインっ…ごめんよ。もっと早く気付いていれば…」




あぁ、そうか


ボクはもう
ご主人の傍に
いられないんだ





「レイン…っレイン!」





ご主人が泣いてる



ボクが
泣かせてしまったんだ


ボクが
<ビョウキ>を
治せなかったから





「……くっ…」





ご主人泣かないで


ボクは
ご主人の笑顔が
一番大好きなんだ


だから笑ってほしい


ボクは
動かない身体を
無理矢理動かして
ご主人の頬を舐めた


しょっぱい


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