泥酔ドクター拾いました。
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先生は、高熱があると分かった私が家に帰ることを、結局許してはくれなかった。
たかが、階段を下りるだけの距離だと言っても、首を縦には振ってはくれなくて。

だけど、少しだけ。うん、ほんの少しだけだけどこんな時に誰かが一緒にいてくれることが安心だと思えてしまう。

だけど、その誰かが大和田先生ということを意識するだけで、私の鼓動が一気に加速していく。

先生は私を、リビングの奥にある寝室に案内した。ダブルベッドが部屋の真ん中に鎮座していて、あとは最低限のものしか置かれていないシンプルな部屋。だけど、一つ一つに先生のこだわりを感じることが出来る。


リビングのソファーで十分だと言ってみたのだけれど、先生はそれさえも許してはくれずに先生がいつも使っていると思われるダブルベッドに私を寝かせた。
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