泥酔ドクター拾いました。

一緒に軽い食事を済ませると、彼女は帰ると言い出した。

玄関先でお礼を言って、もう大丈夫だと答えた目の前の彼女が少しだけ心配になって、藤代さんの首元に両手をあてて、扁桃腺も腫れを確認すると昨日まであんなに腫れていたはずの扁桃腺もすっかり良くなっている様子だ。


「うん。扁桃腺の腫れも…っ、って、あっ、すまない、つい…」


何気なくとってしまった行動のせいで、藤代さんは驚いた表情を浮かべて、耳まで真っ赤に染めている。そんな表情に気付いた俺まで、何か悪いことでもしている気さえしてきて、思わず謝ってしまう。

「いえ、こちらこそ。なんかすみません」

恥ずかしそうに唇を噛みしめて俯く彼女の表情のせいで、こっちまで恥ずかしくなってしまって二人の間を気まずい沈黙が流れていく。