泥酔ドクター拾いました。
□□

いつの間にかほのかさんに叩かれた左頬の腫れも目立たなくなって、あの時の頬の痛みだって思い出せない位になっていた。


あの夜から、もう1か月が経とうとしていた。


「奈緒。最近なんかあった?大和田先生と。」

久しぶりに休みが一緒になった親友の美樹とのランチ。
人参ラペのキッシュがのったランチプレートに添えてあったサラダを一口頬張った私に美樹が心配そうな顔をして尋ねる。


「な、何もないよ!!どうして?」

美樹の不意打ちの質問に思わず咳込んでしまい、声が上擦る。
これじゃあ、いくら否定したところで、大和田先生と何もなかったなんて嘘だってバレバレだ。

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