泥酔ドクター拾いました。

「私が大和田先生のこと好きって言ったこと、もう忘れて。あれは一時的な感情だっただけだから」


無理矢理口角を挙げて笑って見せるとささくれた心がひりつく。

そんな私を前に美樹は盛大なため息をつく。楽しみにしていたはずの目の前の人参ラペのキッシュだってなんだか味気ない。


「好きじゃない?じゃあ、なんでそんなに傷ついた顔してんの?」

「それは……」

「仕事中だって、大和田先生のこと目で追ってるくせに。無理矢理避けたり、会話だってぎこちないし。もう、周りは仕事やりづらくって仕方ないのよ!!だいたい、私たちはチームプレーなんだからね?……まぁ、ぎこちないのは奈緒だけじゃないんだけど」


目の前で叱咤してくれる親友の眼には、私が大和田先生を避けていることなんてバレバレだったみたいだ。
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