泥酔ドクター拾いました。
「あっ!!大和田先生、主任!!」
ナースステーションに入るなり、深刻そうな顔して声をかけてきたのはナースの高月さん。

どうやら、さっきまでカンファレンスをしていた患者、斎藤さんが藤代さんを呼び出したらしい。

担当看護師を呼びつけるなんて、何事だ。まさか、変なことされているんじゃ……。

藤代さんの戸惑った顔が思い浮かんできて、俺は思わずナースステーションを飛び出したのだった。


「ホスピスでも出来ることはたくさんあります。確かにリスクは高いかもしれないけれど、命の期限が決まっているからって、リハビリだって無駄なんかじゃありません!!!」


「……やっぱり」

病室の外に漏れ聞こえてきたのは、そんなやり取りだった。
俺はそのやり取りで、斎藤さんが自分の置かれている状況の説明を藤代さんに迫っていたのだということを感じ取る。

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