泥酔ドクター拾いました。
何とか斎藤さんに説明を終えた翌日の夕方、緊急のカンファレンスが行われた。

カンファレンスの直前、俺と看護主任が立ち会って、家族に説明を行うと、家族も何とか前向きに自宅退院の方向性を納得してくれた。

けれど、家族は藤代さんの対応に対しては怒り心頭のようだった。


そのため、カンファレンスでは藤代さんには厳しい意見が飛び交い、結局家族の意向もあり、彼女は担当を外されることになった。


彼女のことが心配で、なかなかマンションに帰ることが出来ずに、自分のデスクで一人雑務を行う。

彼女が準夜勤務を終える時刻を少し過ぎた頃、パソコンをシャットダウンする前に病院のポータルサイトを確認すると、藤代さんの名前で数分前に登録された『アクシデント報告書』が目に入ってきた。

おもむろにそのファイルを開いて内容を確認する。内容は斎藤さんの一件、それから斎藤さんの一件に対する藤代さんの反省が痛いくらいに盛り込まれている。

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