泥酔ドクター拾いました。
「ところで、大和田先生。こんなところまで来て、どうされたんですか?こんな誰もいない屋上に……」

話のきっかけを作ったのは、藤代さん。

「……藤代さんのこと、探してた。」

「えっ……」


明らかに戸惑った様子の声をあげた藤代さんの横顔を、わずかに盗み見るとなんだかほんのり赤く染まったようにもみえてくる。


「仕事終わりにナースステーションまで藤代さんのことを探しにいったんだけど、居なくてさ。多分、ここかなって思ったんだ。よかった、ここに居てくれて」

ホッと胸を撫でおろす俺の言葉に、藤代さんは驚いた様子で俺の横顔を見上げている。


< 194 / 225 >

この作品をシェア

pagetop