泥酔ドクター拾いました。
どうにかマンションまでたどり着いた時には、午後2時近くになっていた。


駐輪場から、途中にあるコンビニで買った朝食用のパンとグレープフルーツジュースを入れた袋を無意味に振りながら自分のマンションの部屋――201号室へ階段をゆっくりと登っていく。


職場からは自転車で少し遠いけれど、築3年で3階建て。
大通りから少し入った住宅街の一角にあるデザイナーズマンション。


デザイナーズマンションだからといって豪華絢爛なわけではない。
間取りだってごく普通の1DKだし。

だけど、こんな仕事をしている私にとってなによりも有難いのは、近所に24時間開いているスーパーやコンビニもあること。


バス停や駅も比較的近い場所にあるため、運転免許を持っていない私が一人暮らしを送る上で、最適な立地条件は完璧に満たしている。



< 3 / 225 >

この作品をシェア

pagetop