泥酔ドクター拾いました。
飲み干した俺を待ってましたとばかりに、彼女は俺をベッドから出るように促したかと思うと部屋の外へ押し出すようにして追い出した。

手土産のように、持たされたのはメガネとネクタイと、それからペットボトルのイオン水。

靴だってしっかり履く暇すら与えられなかったというのに、玄関扉の外に出されると、彼女は勢いよく玄関扉を閉め、鍵まで掛けてしまった。


よく見慣れた我が家と全く同じ玄関扉。

何が起こっているかもよく分からずに茫然としている俺の視界に入ってきたものは201と書かれた部屋番号。

「俺、最悪…」

二日酔いの頭をどうにかフル稼働させて、ようやく状況を理解した俺はその場で、頭を抱え込んでしまった。

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