泥酔ドクター拾いました。
◆◆


2週間前のあの日、そういえばあの日も週末の深夜の出来事だった気がする。

その日も私は準夜勤務と呼ばれる夕方から深夜の仕事を終え、自宅マンションへ帰ってきたのは午前2時をわずかに廻っていた。


その日は担当していた入院患者の急変があって疲労困憊でクタクタだった私。


共有部分の外階段までたどり着いた時、

「あれ～、おかしいな」

私の部屋の玄関の前で何やら鍵をこじ開けようとしているスーツ姿の男が居たのだ。


「ちょ、ちょっと!!あなた、何しているんですか？」

こんな真夜中に。

疲れ果てて帰ってきた私を待ち受けていたのは、鍵を開けて堂々と家に入ろうとしている泥棒か、はたまたストーカーか。

しかも律儀にスーツまで着ている不審な男。


私はそんな不審な男に恐怖を感じながらも、身体を強張らせながら怒りを込めて声を張った。

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