泥酔ドクター拾いました。
10分近く空の様子を見ながら待っていたら、少しだけ小降りになってきた。

うん、今が帰るチャンス!!

私は3㎝ヒールのパンプスで自転車にまたがり、家路を急いだ。

それなのに、どうして私はこんなにタイミングが悪いんだろう。

自転車で職場の病院とマンションのちょうど真ん中辺りまでたどり着いた頃、またもや土砂降りの雨が降り出した。

横殴りの雨は猛烈な勢いで、頬に当たると痛さを覚えるし、目も開けては居られないほど。
髪も服も、一瞬にしてびしょ濡れになってしまった。

この調子じゃ、しばらくは家に帰れそうにない。

私は自転車を漕ぐのを断念して、近くのバス停の下で雨宿りすることにした。

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