キミの螺旋
「そうだったんだ」

「ゴメンね、あたし携帯切ってたから…」

「いいよ。後でサラにメールでも送っておいてな?」

「うん」

何か用事でもあったのかな…?
心配させたなんて、サラに悪い事しちゃったな。


「北川、もしかして彼女?」

藤紀と一緒にいた男の人が話しかけてきた。

「違うよ。同居人の友達」

「そーなんだ。ビックリした~結構、年下だよな?」

「バーカお前、何を想像してんだよ」

「…」

 『同居人』…?

藤紀の答え方に、あたしは違和感を覚えた。

どうして藤紀はサラの事を"恋人"とは呼ばないんだろう?


友達に知られたくないとか…?

それを藤紀に聞く気はないけど…二人が少し特殊な関係だからなのかもしれないって思った。


「オレら、これからランチ食べに行くんだけど凛も行かない?もちろんオレおごるから」

「えっ!?オゴリ?行く行くっ」

「北川!俺らもオゴリ?」

「男にはオゴリません」

「ちぇっ」

『オゴリ』って聞いてすぐに行く事にしたけど…あたしってホント単純。

だけど

彼らとのランチはそれなりに楽しかったけれど


話せば話すほどに
彼らとは住む世界が違うなって思った。
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