キミの螺旋
「凛ちゃんは高校生?どこ高校なの?」

藤紀の友達の一人があたしに質問してきた。

「あ…高校は休学してて…」

答えにくかったけど…ごまかすワケにもいかず、あたしは答えた。

「あ、ふぅ~ん。そうなんだ…」

気まずそうに彼は返事をした。
気を使わせちゃったみたい…

藤紀には…こんなの聞かれた事なかったもんね。
サラから聞いてるのかな?

あたしの事…

それでも別に何にも言わないのは藤紀の優しさなんだと思った。

藤紀の友達だって
悪いワケじゃないの。ごく当然の質問だったと思うし。

だけど話しを聞いていると…何かあたしとは違う世界が広がってるんだもん。

すっかりソコには、あたしの居場所は無くなっていた。

主に彼らの話題は学校の事や…難しい研究の話?とか。
さっぱり理解できないし。

彼らは…藤紀もだけど、大学院生だもんね。

あたしは藤紀とも…距離を感じてしまった。


『あたしとは住む世界が違う』


サラがいるから、あたし達は知り合っただけで…そうじゃなければ

一生会わなかったと思うくらい…そんな距離感。

あたしが話しできなくて、ずっと黙っていたのに気づいて

藤紀は声をかけてくれた。
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