キミの螺旋
「凛?出ようか?」

「あ、えっと…そうだね。そろそろ帰らなきゃ」

うまく藤紀が言ってくれたおかげで、あたしはこの場所から逃げる事ができた。

もちろん約束通り藤紀のオゴリ。
会計を済ませた藤紀にあたしはお礼を言った。

「ごちそうさま」

「いえいえ」

そしてみんなの見えない所で藤紀はあたしに小声で言った。

(ゴメンね、つまんなかっただろ?)

(…ううん。そうじゃないの。ゴメン、ありがと)

藤紀にも、気を使わせちゃったんだなって思った。


あたしは彼らと別れて部屋へと戻り

寝不足なのと、お腹いっぱいなので眠くて、ベッドに入るなり

速攻で熟睡してしまった。


多分『のび太』並だ…









 「ピンポーン」





 「ピンポーン」


………


「ピンポンピンポンピンポン…」



「…誰よっ?!」

あまりのピンポンラッシュにムカついて目が覚めた。

時計を見ると…あれからもう四時間も経っていた。

「ピンポンピンポン」

まだ訪問者はチャイムを押していた。

「はいはい!」


あたしは寝癖を直す暇もなく、とりあえず上にTシャツを着て玄関のドアを開けた。
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