キミの螺旋
玄関に現れたのは
見知らぬ男性。

身長はあまり高くない。若いし…最近の子っぽい服装。身なりからして…セールス系じゃない感じだった。

もしかして…宗教の人?


「…どちら様ですか?」

相手が名乗らないからあたしの方が先に聞いた。
すると……





「ア・タ・シ・よ!アタシ」



見た目には想像もつかないような可愛い声が飛び出してきて…
あたしはビックリした。


──そして この声!!


「ミ…ミカ…ちゃん!?」


「そぉよ。わかんなかった?」


「だ、だって…!!おと…男じゃん!!!!!」


初めて見たし!!!
わかるわけないじゃん!!!

メイクもしてないし


ヒゲだって今にも生えそう…ってか生えても違和感ないくらい

どっから見ても男だ!!


「なんで!?どうしちゃったの?なんで男に戻ってんの?!」

「もう『ミカ』はいないの。地元に戻る事にしたし」

「店は…?」

「辞めたよ。もちろん」

「…どうして突然…」

「…ずっと付き合ってた彼がね、結婚したの。それでアタシ…オレが女でいる意味が無くなったからだよ。だから…『ミカ』は終わり。オカマ生活も終わりなんだ」
< 112 / 398 >

この作品をシェア

pagetop