キミの螺旋
「彼の事が好きだったから…女になってみたんだけどね。そしたら結構楽しかったし!」

「なんで…その彼は結婚なんてしちゃったの?ミカちゃんと付き合ってたんでしょ?」

「うーん…彼にはそういう人生の方がいい気がしたのよ。…なんて答えが曖昧かな…」

「それでいいの?」

「いいの!夏休みみたいなものだったの。それも終わり。だから本来の自分に戻らなきゃ」


ショックだった…

ミカちゃんが居なくなる

それだけで、他には何も考えられず…
軽くパニクっていた。

「荷物取りに来たんだ」

「う、うん。そっか…手伝うね」

そして彼女…『彼』は素早く自分の荷物をまとめた。
家具類はママが用意してくれたものだったから、ほとんど服だけ。

それも女物ばかりだから…

「これも凛が着られるよね?あ、これも」

そう言ってかなりの数の服を置いていく事になり…
荷物はほんの小さなボストンバッグ一つ。


「じゃあね、凛…彼氏と仲良くするのよ?」

時たま出るお姉コトバが、オカシイし…悲しい。

「ミカちゃん…イヤかもしれないけど…抱きついてもいい?」

「イヤじゃないわよ?」

そう言ってミカちゃんは腕を広げてくれた。
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