キミの螺旋
女のコだったミカちゃんよりも

腕を広げた『彼』はホントに頼もしそうで、やっぱり男なんだなぁ…って思った。


「ミカち…ゃぁん…」

あたしは『彼』に抱きつくと、途端に涙があふれだした。

「ぅえぇーん…」

ミカちゃんはそっとあたしを抱きしめる。

泣いてるあたしの頭を撫でながら…

「バカね、何、泣いてんの?」

そう言いながら…ミカちゃんだって涙声だよ?


どうして楽しいままでいられないの?

どうしてこんなに切ない別れをしなくっちゃいけないの?

…どうして?


あたしはミカちゃんから離れたくなかった。

「凛…ゴメンね」

「…」

「…凛?ゴメンね…彼氏がいるから…あたしが居なくなっても大丈夫よね?」

「…」

どうして謝るんだろう?

どうしてあたしの周りには…



優しい人がたくさんいるんだろう…

あたしは…ミカちゃんに何も返せてないよ?

でも居なくなっちゃうの?


「…またメールとか電話とかしてもいい?」

「もちろん!」


見上げると…ミカちゃんは笑っていた。

少し違うけど…やっぱりミカちゃんの笑顔。



あたし達は泣きながら


別れの握手をした…
< 114 / 398 >

この作品をシェア

pagetop