キミの螺旋
あたし達は久しぶりにデートする事になった。

あたしはスゴく楽しみで待ち合わせ場所へと向かった。

でも…彼の様子は
あたしとはまるで正反対だった。

顔色も悪いし…目の下にクマもできてる。

最初、ハルトを見た時は、ただ疲れてるんだと思っていた。

「…ハルト、何かあった?疲れてるなら…今日は帰ろうか?」

久しぶりに会えたから、すぐに帰るのは残念だけど、彼の身体の事を思うと…そんなワガママは言えないよね?

すると彼は答えた。

「…ありがと。でも…大丈夫だから」

「ホントに?ねぇ、あたし役には立たないかもしれないけど…」

彼の悩みも
一緒にいるのなら共有したい。

一番近くにいるから
一番に相談してほしいし…

「こんな事…凛に言っても…心配させるだけなんだけど…俺、ホントに困ってて…」

「…どうしたの?もしかしたら力になれるかもしれないよ?」

「仕事…クビになるかもしれない…」

「えっ!?何で?」

「俺の客で…いつもツケで一月分をまとめて払っていく人がいるんだけどさ。…連絡取れなくて…ツケの分、俺が立替しなきゃいけないかもしれないんだ…」

「いくらなの…?」

「600万…」
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