キミの螺旋
「ろ…600万?!」

「店はあんまり待ってくれないし…」


ハルトにそんな上客がついている事にも驚く。

彼と会うため
彼と楽しい時間を過ごす為に支払う金額…

ハルトはそれだけの価値がある男なの?

「お金…あるの…?」

「…足りない。俺、400万くらいはあるんだけど…仕方ないから誰かに借りるか…」

「払えないとクビになるの?」

「うん…店はツケで飲む客は基本的にNGなんだけど、その人は常連だったし、毎月ちゃんと払ってたからさ…だから余計ヤバいんだ」

「…」

「マンションは賃貸だから金にはなんねーし…クソッ」

どうしよう…
あたし、お金なんて持ってないし

でもハルトを助けたいの!

あんなに仕事頑張ってるんだもん。
こんな事で…終わらせたくない!


…あたしに出来る事…

あたしが持ってて
お金になるもの…


「ハルト…あたしも何とかするから。いつまでに用意できればいいの?」

「今月いっぱい…」


あと二週間…か。

「わかった。ハルトも…そのお客さん探したりしててね?」

「おい!どうする気だよ」

「誰かに借りれるか、探してみるね。足りない200万全部はムリだけど…」
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