キミの螺旋
「今…何してたんだって聞いてるんだ!凛!?」

「…」


三番目か四番目くらいに…見つかりたくない人に見つかって

あたしは何をどう弁解すればいいのかわかんなかった。

わかってるのは…


ぶたれた頬が痛いって事…


それは悪い事をしてたのがわかっているから…なおさらだった。

「ほら…!帰るぞ」

そう言って藤紀は何も答えないあたしを引っ張って行った。

そして…あたしの部屋に着く。


追い返す事はもちろんムリな上に、藤紀も帰る気はなくて
あたしはそのまま藤紀を部屋に上げた。

多分…理由を言うまで帰らないと思う。

…怒ってるし


「で?何であんな事してた?金?サラには言わないけど…見ちゃったオレには説明してくんない?オレは黙ってられるほど寛大じゃないから」

「サラには…言わない?」

「それは約束する」

「お金が欲しかったの。彼がね、お金が必要になっちゃって…あたしどうしても助けてあげたくて…」


あたしは諦めて、ちゃんと正直に話した。


こんな時…てか、あんなトコ見られてごまかす事なんかできないし。


サラには言わないっていう約束は…藤紀なら守ってくれると思った。
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