キミの螺旋
「で、でも…っ!藤紀から、こんなに借りられないよ!!学生でしょ!?」

社会人ならまだしも…生活費とか学費なんじゃないの?

そう思ってあたしは焦った。
でも、藤紀はニッコリ笑って

「大丈夫だよ?500万くらいは入ってるカードだし、親の金だし」

「親の金ならなおさら…」

「オレ言ってたじゃん?親の金で遊んでるバカ息子なんだって。だから就職もしないで大学院とか行ってんだし」

「それは違うでしょ?勉強したいから大学院に行ってるだけだって…あたし知ってるよ」

前に一度見た。
藤紀の勉強していた本とかノートの量。

遊んでる学生とは…とても思えない。

「多少は勉強しないとヤバいからね。って、そんなのどうでもいいから!オレん家は金あるんだから!言えばいくらでもくれるウチなんだよ」

「藤紀の家…お金持ちなの?」

「会社経営してるしね。知ってる?『キタガワ』って会社」

…えっ!?

『キタガワ』って…

「し…知ってる!!…ウソ…」

その会社、元はドコからかは知らないんだけど
今は通販会社とか化粧品販売とか、ホテル経営に全国展開の居酒屋とか他にも…

大きなグループ経営で有名な会社だった。
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