キミの螺旋
「騙された…?」

藤紀が怪訝な顔をして聞いた。

「そうみたい。あ!お金返すね!」

あたしはバッグの中から、藤紀から借りた100万円を返した。

「大丈夫だったのか?」

「…他の女と寝てるくらいだもん…必要ないでしょ?ってゆうか…ウソだったんじゃない?」

「他の女と…って…もしかして見たのか?!」

「あたしが見つけてもまだヤリ続けて、あげく『三人でしよう』みたいな事言われちゃったよ!有り得ねぇっーの!!」

何故かあたしは、そんな最悪な出来事をスラスラと話した。

「…まさか…」

「マジ話しなんだって!そんなわけで、彼が最悪な男だってわかったの!全然わかんなかったな~ホント騙されちゃった!」

「凛…大丈夫か?」

「大丈夫だよ!早く忘れなくちゃね!あんな…男…好きになるんじゃなかった…信じてたのに…」

あたしは彼との事を思い出し…ガマンできずに涙が溢れて出した。

そんなあたしを藤紀は抱きしめてくれて

あたしは藤紀に甘えてるね…

「夢だと思いたいよ…好きだったのに…愛してたのに…」

「…うん…」

何も言わず話しを聞いてくれる藤紀。

…ごめんね藤紀…

今は…藤紀さえも信じられないよ…
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