キミの螺旋
お金で彼女とSEXしたって聞いても、あたしには到底納得できる問題じゃなかった。

むしろ、余計に腹がたつし!

「じゃ…これからは金払わなくても抱いてもらえるんじゃない?あたしはハルトと付き合う気が無くなったし」

「私が買ったのはあの夜のハルトの身体だけ。でも…えっちしたら好きになっちゃった!」

「ハルトにそう言えばいいじゃない」

「もちろん言ったよ!藤堂が出て行った後にね。でも断られたの。お金を払えば彼の身体は買えるけど…心は絶対に買えないもん」

「それであたしにどうしろって?!」

「藤堂から別れるって話してよ!そしたら彼も諦めて私と付き合ってくれると思うし」

いちいち井上の言う言葉や言い方にムカつく…!
イライラするし!

もうイヤなの!
あんなこと思い出したくないの!

あたしは嫌気がさしてこう答えた。

「いくらでも言ってやるよ!あんな男、こっちのがお断りだし!それでいい?もう来ないで!」

あたしがめちゃめちゃキレてんのに、アホみたいに井上は嬉しそうに答えた。

「ホントに!?絶対に言ってね!マジでハルトと別れてね!」

あたしはそのまま返事もしないで帰った。

アイツ…バカじゃないの?
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