キミの螺旋
あたしはキレたまんまで部屋へと戻った。

今ならハルトと話しができるかもしれない。

多分…一旦落ち着いてしまったら、ハルトが怖くなるから。

そうなってしまったら井上の望むような別れ話しをするのは難しいと思った。

…あれくらい図太い神経があったらもっと自由に生きられるだろうな…

井上の事を違う意味で見習いたい気がする。


そしてあたしは感情が熱を持っている間に勢いだけでハルトに電話しようと…

携帯を持った時

ハルトから着信があった。


「!!」


電話しよう!って決めたのに
いざ『ハルト』の文字を見ただけで

どうすればいいかわからなくなってしまった


それでも…電話に出た。

逃げても一緒だから…


「…もしもし」

「凛?俺だけど…今、部屋の前にいるんだ。開けてくんない?」

「い…今!?しかも部屋の前に…?!」


話すべき事なんて
頭の中では全然整理されてない。

なのに…突然、対決の時はやってきた。


「…わかった…」

そう答えて、あたしは玄関のドアを開けた。

そこにはあたしのよく知ってる…いつもの彼がいた。


ハルトは部屋にあがりあたしと話しを始めた。
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