キミの螺旋
「なによ、来たと思ったらいきなり…」

サラがビックリしてる。

あたしより先に帰ったサラはメイクを落としていた。

「さっきママにディズニーのパスポートもらったの!ねっ、ねっ!サラ明日行こうよ」

「明日?あ―…」

サラは歯切れの悪い返事をした。

「えっ!?もしかして…ダメ?」

「…ごめんねぇ。明日と明後日は実家に帰らないとダメなのよ」

「えー?そうなの?…なぁんだぁ…」


…遊びに行きたかったな…

用事があるんなら仕方ない…か。

他に行く人もいないし…

「トーキと行く?トーキ、明日学校休みなさいよ!」

「オレ?」


あたしが諦めかけた時、サラがそう提案してきた。

「藤紀と?でも…」

ダメなんじゃない?

サラもいないし
それよりも…二人でなんか行けないよね?

藤紀が言っていた事を思い出す。

『サラは恋人じゃない』

って言ってたけど…
サラは藤紀が好きなんだもん。

さすがに遠慮しちゃうよ。
ディズニーは諦めよう…悲しいけど…






「いいよ?凛、オレと一緒に行こうか?」

「…え?!い…いいよ!また今度にするから」

あたしは慌てて断った。

藤紀とだけは…マズイよ!
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