キミの螺旋
あたしは意外な藤紀を発見した。


見た目、優等生の彼はいつだって冷静で落ち着いてる人だって思ってたのに。


開園前にディズニーランドに着いたと思ったら、もちろん並んで待っていたし。

そして藤紀は開園と同時にアトラクションへと猛ダッシュ


「これ乗ったら次はアレな?で、間にパスを取って…」

「え?あ、ん、うん」

あまりにも乗り気な藤紀と、彼が立てるアトラクションに乗る予定の慌ただしさで

あたしは驚いてばかりだった。

…なんかキャラ違くない?

「藤紀は…もしかして遊園地好きなの?」

「うん!」

なんだかメッチャいい笑顔で、彼はそう答えた。

あたしの勝手なイメージ?
藤紀はこんな人じゃないって思ってたから余計ヘンな感じ。


あたしの戸惑いも、藤紀に連れられて遊びまくってるうちに忘れちゃって


真剣に遊んだ。



こんなに楽しいのは久しぶり!


このまま…この楽しさがずっと続けばいいのに…

だんだんと暮れてゆく太陽を見て

パーク内を歩きながら切なく思った。


「凛、夜のパレードも見るよね?」

「うん!」


あたし達はさっそく場所取りに走った。
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