キミの螺旋
──その瞬間



あたしは怖くて目をつぶってしまった。





人間の頭を思い切り殴る…鈍い感触がするだろうと思ったのに


「凛…!お前…今、俺を殴ろうとしたのか?」

父親のキレた怒鳴り声

あたしが父親に向けて振り下ろした腕は

父親を殴る前に

気付いた父親に腕を掴まれ…阻止された。


「答えろ!」


もうダメだ…
あたしは壊される


未来なんかないんだ…


「凛!」

「そうだよ!アンタなんか死んじゃえばいいのに!殺したいなら殺しなさいよ!」

「なんだと!?」

「アンタの子供なんてまっぴら!そんなの産むくらいなら死んだ方がマシよ!」


もう終わり

全てが終わり

もうどうだっていい


「愛してるのに!愛してるのに!何でわかってくれないんだぁぁ」

そう叫びながら父親はあたしの首に掴みかかってきた。

「きゃぁぁぁっ!!!!」





  「バタン!!」





「?!」


突然開いたドアに驚き父親は手を緩めた。

部屋の入り口に
誰か…いる


「誰だ?!」

「凛…!」

その声に驚き…あたしは少し身体を起こした


どうしてココにいるの…?







「…藤紀…」
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