キミの螺旋
…今だけでいいから


今だけでいいから
藤紀に甘えさせて

今だけでいいから
藤紀に寄りかかりたいの


ゴメン
許して……サラ…


あたしはギュッと藤紀に抱きつき、彼に話かけた。

「藤紀ぃ…何で…部屋に来たの…?」

「え?だって、あんな電話の切り方するからさ。また何かやらかしたのかと思って心配しちゃって、とりあえず捜しに来てみたんだ」

「ヒドイなぁ…」

「ホントの事じゃん!心配で、ほっとけない感じだよ」


ちょっと
…ドキドキした。


心配されてるだけ
それだけなんだけど…嬉しくなった。


たった十数分だけの事だったけど
何だか不思議な感覚だった…


あたしは…父親の事を藤紀に話した。


「あたしね…あの育ての親に…去年レイプされて…何回も何回もヤられて…イヤで…逃げる為に家出したの」

「うん…」

「でも見つかちゃって…殺したいほど憎んでたの。藤紀が来なければ─あたしは父親を殺していたかもしれない…」

自分が自分じゃないみたいだった。

そんな事をしようとしていた自分にも怖くなる


「…遅くなってゴメンな…でも凛に人殺しなんかさせないで済んで良かった」

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