キミの螺旋
救急車が来てあたしも藤紀と一緒に病院までついて行った。


「サラ!サラ!サラ…!サラぁ!!」

あたしはサラの名前を呼ぶ事しかできない。

「凛!サラは大丈夫だから!」

そう言ってあたしを落ち着かせようとする藤紀の言葉なんて
あたしには届かなかった…

病院に着いて医師や看護師にあたしはすがりつくように言った。


「お願い!サラを助けて!お願い!血なら…あたしから抜いてよ!!お願いだからサラを助けて…!!!!!」


「どいてください!」

看護師に止められ
処置室に運ばれてゆくサラを見て、あたしはずっと泣き叫んでいた。

「お願い!!サラを…サラを助けてよぉ…っ」

「凛!大丈夫だから!凛…っ」

そんなあたしを藤紀が抱きしめ、押さえつける。

「サラ…うわぁぁぁぁぁ…ん…サラ…サラぁ…」



  あたしは無力だ

あたしの身体中の血を抜き取ってでもサラを助けたいのに

泣く事しかできない

どうして自殺なんか!?

理由が思い当たらない


それは何故?!


あたしがサラの事を知らないからだ…!


サラに親友としての信頼ばかりを求めて

あたしはサラに信頼を与えていた?

あたしはどうだった?
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