キミの螺旋
ずっと泣きわめくだけだった。

病院の長椅子に座り、藤紀は隣であたしが落ち着くように肩を抱き

「大丈夫、サラは大丈夫だから。そんなに自分を責めたって仕方ないだろ?」

って言い続けていた。

そんなの痛いくらいわかってるよ!

でも責めずにはいられない
それしかできない

「そんな風に思えないよ…あたしが死んじゃえば良かったのに…」

「…」

藤紀があたしの手を握る。

「…!」

あたしが落ち着いたワケじゃない。
だから周りが見れる状態でもなかったけれど

あたしは気付いた

藤紀の手が震えてる…?

ずっと藤紀は落ち着いて救急車呼んだり、サラの出血を止めようとしたり

今もあたしを支え続けていたのに

違うのかもしれない…
藤紀も…自分を責め続けていた?

あたしが泣くから
藤紀がしっかりするしかなかった…
そうしなきゃ…サラを救えない




やがてサラの処置が終わり医師が告げた。

「なんとか終わりましたが…出血が多かった為まだわかりません。今夜がヤマだと思ってください」

「そんな…」

あたし達は集中治療室の外で待ち続けるしかなかった。



このまま永遠に
夜は明けない気がしていた…
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