キミの螺旋
父親の車に乗り込み、そのままオレが住む場所へとやってきた。

どうやらオレは一人暮らしをするらしい。

そこは街中の新築されたばかりらしい大きなマンションだった。

近くに商店街もコンビニもある。
最寄り駅は徒歩五分だと言われた。

オレは…ただ唖然とするばかりだった。

てっきりオレは適度に古いアパートくらいだと思ってた。

それがこんなに立派なマンション?

さらに部屋に入って驚いた。
一人で住むには広すぎる間取り。

3LDKあった。

「こんなトコに血の繋がらないドコの馬の骨ともわかんないような殺人犯なんか住まわせていいのか?」

さすがにちょっと呆れた。

「ん?狭いか?」

「そうじゃなくて…オレなんかにこんな贅沢させる必要なんてないだろ?オレはアンタに買われたようなもんだからさ…」

「外に出たら'父さん'と呼べ。…私の息子なんだ。粗末な生活なんかさせられないだろ」

「必要最低限でいいよ…父さん」

「これが必要最低限だ。これからお前は大学に行って…それ相応の友人と付き合わなきゃいけない。その為に必要だ」

「金持ちお坊っちゃん達と仲良くしろって?」

「そうだ!わかってるじゃないか」
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