キミの螺旋
オレがあの夫婦を殺した事は悪いとは思わないけど、人を利用したり騙したりは…ムリだと思う。
そういう意味での悪人にはなれない…
だからきっと…ある程度学校には行かせてもらって、それなりの資格や地位を得て
この親父の跡を継ぐ事になるだろう。
オレにとっては…多分、恩人で
この家族にとっては息子への罪滅ぼしになるなら…
それぞれの利害が一致している。
オレは降参したって感じで両手を上げ父親に言った。
「…わかった。父さんの希望を聞くよ。とりあえず大学に行かせてくれ」
「商談成立─だな」
父親もホッとした表情をみせた。
それから腕時計をチラッと見て
「社に戻る。何か聞きたい事があったら電話しろ」
そう言って玄関へと向かった。
「なぁ!か…母さんは…?」
「…まだ入院してるよ。見舞いに行くといい。乗っていくか?」
「いや…今度にする」
「そうか。そうだな」
そう言うと父親は部屋を出て行った。
一人になって改めて部屋を見回す。
生活に必要なモノ以上にそろっている。
ソファに大画面テレビ
パソコンに何故かワインセラー…
親父の趣味か?
あとは
寝室には高そうなベッドがあった。
そういう意味での悪人にはなれない…
だからきっと…ある程度学校には行かせてもらって、それなりの資格や地位を得て
この親父の跡を継ぐ事になるだろう。
オレにとっては…多分、恩人で
この家族にとっては息子への罪滅ぼしになるなら…
それぞれの利害が一致している。
オレは降参したって感じで両手を上げ父親に言った。
「…わかった。父さんの希望を聞くよ。とりあえず大学に行かせてくれ」
「商談成立─だな」
父親もホッとした表情をみせた。
それから腕時計をチラッと見て
「社に戻る。何か聞きたい事があったら電話しろ」
そう言って玄関へと向かった。
「なぁ!か…母さんは…?」
「…まだ入院してるよ。見舞いに行くといい。乗っていくか?」
「いや…今度にする」
「そうか。そうだな」
そう言うと父親は部屋を出て行った。
一人になって改めて部屋を見回す。
生活に必要なモノ以上にそろっている。
ソファに大画面テレビ
パソコンに何故かワインセラー…
親父の趣味か?
あとは
寝室には高そうなベッドがあった。