キミの螺旋
「売人…?」

「そう…あ!でも私、薬はやってないよ!」

オレが怪訝な顔をしたのでサラがすぐに否定していた。

「うん。わかってる」

疑ってなんかない。
そんな子じゃないって思えるし…

「それでね、この間、急に『出ていけ』って言われたの。もちろんケンカ…理由がわかんなくて怒って家を飛び出したけど…行く所がなくて」

「それでオレんトコに住みたいって?」

「うん…でも冷静に考えて、やっぱり彼が好きでやり直したいから家に戻ったの」

「うん」

「そしたら…もちろん彼はいなかったんだけど、変わりに彼を探してる奴らに遭遇しちゃったワケ」

「探してる奴ら?」

「うん。ヤクザ系かな…で・私が彼の居場所を言わないもんだからこの有り様ってワケよ。知らないんだから言える訳ないのよね」

サラはちょっと笑いながら言った。
彼のせいで殴られ左目を腫らした顔で。

「ホントにどこにいるのかわかんないのか?」

「うん。知ってたら言うわよ、痛い目みるのはイヤだもん。多分ねぇ…ヤバい事になってたから『出ていけ』って言ったのよね」

「追われてたのか?」

「だと思う。私の為にそう言ったんだと思いたいんだけどな…」
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