キミの螺旋
「そう、じゃいつからにする?何回かに分けてじゃないとダメなんだ」

「今からでもいい?あ、次の患者さん予約入ってるとかならダメ?」

「いや、大丈夫だよ」

「良かった!思いついた時にやってみなきゃ!勢いも大事でしょ」

「前向きだね。それが大事だよ。じゃ…そこの長椅子に横になって」

「はぁい」

あたしは言われた通りに横になった。
頭を枕に乗せて、楽な姿勢をとる。

「軽く目を閉じて…リラックスして…これから僕の言う事をイメージしていってね…まず最初に──」

先生は優しい声で、あたしに指示していった。

それに従い意識を何処かに…ココロの奥と言うべきなのか…ある一点に集中させていった。

さらに先生の誘導によってあたしは深いトランス状態に入っていく…

「順を追って思い出していこう…一番初めに記憶した出来事を思い出せるかい?」



──とくん…




《…りん!危ないわよ?!じっとしてて…ママが今おろしてあげるから…》

…でもあのにんぎょうがとりたかったの

ママがあわててはしってきた

だいじょうぶ!りんはもう、さんさいだよ!

いすにだって、のぼれるんだから

あとすこしだから…だいじょうぶ…
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