キミの螺旋
走り始めた車…

さっき殴られたせいで少し意識が朦朧としていた。

あたしは…後悔していた


あんな風に…藤紀に言って店を飛び出したんだもん。
もちろん追ってくるはずもないし

…一緒に帰ればハルトに会う事もなかったのに…!

どこに連れて行くつもりなの?

怖い…
どうしよう…

藤紀…


あたしはそのまま意識を失った。





次に目を開けた時…

見覚えのある部屋に寝かせられていた。

─ハルトの部屋…?

あたしは起き上がろうとして
自分が置かれている状況に驚いた。


「何…これ…」


こんなのテレビの中だけの事でしょ!?
信じられない…!


あたしの両手首は…手錠をされベッドの柱に繋がれていた。

何とか外せないかと思って、手錠や繋がれてる鎖をガチャガチャ動かしていると

ハルトが現れた。

「凛、起きた?」

「何よこれ!早く外してよ!」

あたしが怒ってるのにハルトは嬉しそうにあたしの隣に座り

あたしの頬に触れた。

「もう帰さない」

「冗談…でしょ?こんなの笑えないよ!早く外して!帰るから!」

「冗談?俺は本気だよ。もう凛を離したくないんだ」

そう言ってハルトはキスをした。
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