キミの螺旋
見えなくても
何をしてるのかわかっちゃう…

井上の声も大きくて
あたしは動かない手で耳を塞ぎたかった。


『ハルトの…舐めて…あげる…んっ…んっ…』

『お前エロいよな…めちゃめちゃ濡れてるぜ?』

『ぁ…っ…やぁ…ん…そんなにしちゃ…ぁ…っ!ダメ…っ入れて!』

『ん…』

『ぁっ…あっ…あっ…あぁ…っ!スゴいよ…ハルトぉ…』



こんなの聞きたくない…!

ハルトが井上にしてるのかと思うとムカつく

もう気持ちはないはずなのに

かつて
あたしを愛する為にしていた行為を
他の人にもしている事が許せない!


高額だったせいか…ハルトは何度も井上を満足させる為に長くやり続けていた。

『ね…もぉイきそぉ…ハルトは…?』

『イく…!』

『お願い!中で…イって!』

『お前バカじゃねーの!?わかってて言ってんの?』

『わかってるよ…アタシ…ハルトの事がホントに好きなの…!藤堂なんかじゃなくてアタシを愛してほしいの』

『…お前みたいなヤツ!中になんか出してやんねーよ!』

『そーいうトコ…好きだよ…』




…ようやく最悪な時間が終わったみたいだった…



あたしは

終始泣きながら聞いていた…
< 221 / 398 >

この作品をシェア

pagetop