キミの螺旋
助けを呼びたい

だけど井上には死んでも助けてほしくない

こんな姿…見られたくない…

一度ならず二度までも、あたしは井上とハルトがSEXする場面に遭遇した。

悔しい…

ホントに嫌い

大っ嫌い!!


それからしばらく時間が過ぎて…井上は帰っていった。

クローゼットの扉が開きハルトはあたしを抱きかかえてベッドへと連れていった。

ハルトはあたしが起きている事に気付いた。

「凛?何で泣いてるんだ?」

「…」

答える気にならない
自分の口から言うのかと思うと…思い出して吐きそうだよ!

「もしかして…ずっと起きてたのか?俺達がやってる声、聞いてたのか…?」

「…」

「ゴメンな…これも仕事なんだ」

「今までも…そうしてきたの…?」

「うん。言ったろ?金さえ貰えれば何でもしてるって…凛を誰にも見られたくないから…こうするしかなかった」

「…最悪…やっぱりあたしは…ハルトを愛せないよ…帰して…」

精一杯の抵抗だった。

「イヤだ!絶対に離さない!お前には俺しかいないんだから」

「…」

あたしの好きだったハルトは
もういない…

──静かに

ハルトは狂っていく気がした…
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