キミの螺旋
あれから何日たったのかわからない…

ハルトは仕事へ行き、酔って帰ってきては
あたしを求めた。

もちろん抵抗できるはずもない。
四六時中、手錠と鎖に繋がれていたから

あたしの抵抗する気力を簡単に奪っていく鎖。

もう死んでもいいとさえ思えてきた…

むしろ殺してほしい

もう生きてたってしょうがない

記憶だって戻らない
両親は殺されたっていうし
義父には乱暴されていたし

あたしの人生…生きている意味…生きている価値…

どれをとっても
『無い』んだと思う

じゃあ人生終わりにしたっていいじゃない?



あたしはハルトに聞いた。

「ハルトはこれから…どうするの…?」

ハルトは嬉しそうに答えた。

「結婚しようか。このまま凛を閉じ込めて、誰にも見せたくない。二人だけの楽園を作って二人だけで生きていきたいんだ」

異常なまでの執着心と束縛…



子供の頃、手に入れた宝物は
誰にも取られたくないから、小箱に入れて大切にしまって

一人の時にこっそり見ては満足していた

ハルトはそんな子供がするのと同じ事をしている。

「…好きにしていいよ…一緒に死んでもいいし…」

もうどうでもいいと思った…
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